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痢病 しぶりばら


便の色が赤い下痢も白い下痢もともに、湿熱として考えて治療しなさい。古くから 腸癖とよばれたり、滞下と呼ばれたりしているものはすべて、現在でいうところの 痢病にあたります。脉状が滑沈小のものは治りますが、弦急のものは死にます。 もっぱら血を下し、屋根の雨漏りのようにぽたぽた滴れるようなものや、魚の脳髄 のような状態になっているものは皆な死にます。

脾兪、関元、腎兪、復溜、長強、大腸兪、小腸兪、中脘、足三里、太谿に灸す るとよい。ほとんどのものは、気海、水分、天枢に鍼をすると奇効があります。ど のツボも五分ほどづつ何回も刺します。深く刺してはいけません。






【訳者私見】

脉状の滑沈小、弦急分け方は、邪気の強弱を指しているのではないかと思われま す。

湿熱として考えなさいといことで、この病を邪実であると把えていることがわかり ます。下痢をしているときに、その脉状が、沈滑小の生気の虚した状態を現すもの であるということは、邪実が外に出ていると考え、治ると考えているようですね。

そして逆に、邪気が外に出ているにもかかわらず、脉状から邪実の強さが抜けない と思われるとき(弦急)、患者の身体のなかで行われている正邪の闘争は邪気が生 気に対して勝っていると考え予後不良としているのではないかと、思われます。

そのように、邪実が中心の問題であると把えているのにもかかわらず、まず邪実の 排出という瀉法を中心にとらず、脾腎の気を徹底的に灸で建て、浅い鍼で少し気を 動かして、排出を促すという治療法をとっています。これが本郷正豊らしいやり方 のひとつだなあと私は思います。

きっと治療の順番もこの通りで、補って補って補ってそして軽く瀉してやる。こん な感じなのかなと私は想像しています。







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