咳嗽 しはぶきせきたぐる
【訳注:つばをためて、ごほごほ咳き込む】
|
咳は声は出ますが痰は出ません、肺気がやぶれてすっきりしない状態です。
嗽は痰が出ますが声は出ません、脾湿より生じた痰が動じたためです。
また、風寒湿熱の邪に感じたり、
陰虚火動によって労咳になったり、
水が浮いてきて痰となったり、
これらの原因でも、みなよく咳嗽します。
肺兪、肩井、少商、然谷、肝兪、期門、行間、廉泉に灸をして、すべての症例で不
容、梁門に鍼をします。
肺咳は手の太淵、
脾咳は足の太白、
腎咳は足の太谿。
多く眠るのには三里。
面赤く熱咳には支溝
【訳者私見】
肺兪、肩井、少商、然谷、肝兪、期門、行間、廉泉に灸をして、すべての症例で
不容、梁門に鍼をします。
肺兪ー肺気をたてる
肩井ー逆気をおろす
少商ー肺気を引いて熱を降ろす。
然谷ー腎気を引いて虚熱を降ろし下焦を整える。
肝兪ー肝気をたて整える。(逆気を降ろすという発想に繋がる(@_@)?)
期門ー肝気を利し、血熱を降ろす。
行間ー肝火をもらし清熱する
廉泉ー清利咽喉、咽を清らかにする。
さて、腎気、肺気をたて、呼吸を整えることと、気の昇降出入の中心である肝気
をたてることによって、逆気をおろしていきます。
また、然谷、行間など陰経の火穴を使うことによって、身熱をさまそうという発
想でしょうか?。熱と気逆がひとつのポイントなのでしょう。
廉泉は少気にということで、小さな小さなお灸で、補うということを中心にして
いくのでしょうねえ。
末端穴は、気を引くという発想もあると思います。
肺咳は手の太淵、
脾咳は足の太白、
腎咳は足の太谿。
これは(月兪)土原穴を用いるという発想なのでしょうか?。霊枢、難経ともに、
五蔵六府の病には原をとるという記述がありますね。
多く眠るのには三里。
多く眠るということを、脾胃の虚とみているのでしょう。ご飯をたべてすぐ眠
くなる人なども同じでしょう。
面赤く熱咳には支溝
支溝は便秘の特効穴ですね(^^)。腑気をおろしたり、三焦を清めたりすること
に使います。清熱通便ということで、面赤い熱咳に支溝という発想ではないかと思
います。
三焦経は火経です。支溝は経火穴、自穴であります。火の経絡の中で、もっと
も火の性格が出ている経穴を使うことによって、一番火がもれやすいという発想か
もしれませんね。また、経火穴ですから、喘咳寒熱を主るとも言えます。熱を泄ら
し咳を止める、熱ケの咳によいという発想もできるわけですね。