肩が痛むということは、痰が原因だったり、風寒湿が原因だったりしますけど、多
くは気血がつっかえたためにおこっています。
ここに刺すときには秘伝があります。まず、肩を手で押しひねり、揉みくだし、気
を開かせて、後に刺しなさい。
深く刺しすぎると、過ちをおこします。もしみだりに刺したりすると、人に害を及
ぼします。この刺鍼には、針を伏せて皮肉の間をすべらせ、絶対に肉を刺してはい
けません。肩背には、撚鍼を用いてはいけません。(石乏)鍼を用いなさい、管に
入れて弾き下し、皮をやぶって気血を抜きます。その効果は速やかにでます。針
を刺したあとを、また管にて押しなさい。必ず血が出て、邪気がさります。
上古には石の尖で痛み痺れるところを刺し、脉をやぶっ
て邪を取り去りました。鍼経には、(石乏)石をもって、膿血を出すとあります。
【訳者私見】
痃癖というのは、以前に大便秘結で出てきました。普通は積聚の一種で、腹部や
脇肋部にできた腫塊の事をいいますので、肩が痛むという今回のファイルで、なぜ
このタイトルがついているかは謎です。ご存じの方がいらっしゃいましたら、お教
えくださいますと幸いです。
内容的には、肩の凝りということですね。
痰や風寒湿などさまざまな原因があるが、多くは気血がつっかえたためだというこ
と考えています。ですので、秘伝の刺し方(^。^;;という紹介で、局所の気血を散じ
る方法を述べています。
まず肩を手でもみくだしてから針をするというのは、その場の気血を動かしやす
くしてからという発想だと思います。そののち、基本的に、この局所から、気血を
泄らし、気血を散ずるという事をしていますね。瀉血などをおこなっているのだ
と思います。鍼経にも書いてあって、証拠もあるよというのが、なかなかおしゃれ
(^=^;ですね。きっと、このやり方は得意だったのだなと思いました。