. .

知一庵さんの【写真館】より


腰痛 こしのいたみ


腰は一身の大関、六経のかかるところです。

太陽の腰痛は項背が尻のほうに引かれ、背中が重いです。

陽明の腰痛は、左右へ振り返ることができず、強ばりつらいです。

少陽の腰痛は針で皮を裂いたようで、うつぶせにも仰向けにもなれません。

太陰の腰痛は、熱して腰に横木があるような感じ【訳注:板のように堅い感じ】で 遺尿します。

少陰の腰痛は、張った弓のようです。黙々として気分が悪いです。

脾に熱があり戦うときは、腰が痛み仰向けにもうつぶせにもなれません、腹満して 下痢をします。

腎に邪熱があれば、腰が痛み、脛がしびれて舌が乾きます。また、腰は腎の腑とい うように、多くのものは、色慾を過ごし、腎を労傷したために、常に腰が痛くなっ ています。

昼間軽く、夜が重いものは瘀血です。

陰雨にあったり、長く座ったために発症するものは湿です。

腰背が重く、走り注ぎ刺したように痛むものは痰です。

頭痛悪寒発熱するものは、風寒によるものです。

腰が冷えるものは中寒です。






腎兪、膀胱兪、腰兪、志室、崑崙に灸しなさい。

崑崙、肩井、環跳、陰市、三里、陽輔に針をしなさい。

委中より血をとりなさい。

両脚が水のように冷え、腰脇季肋部が痛むのは、尺沢、三陰交、合谷、陰陵泉、行 間、三里、手の三里。

腰痛で動けないものは、風市、委中、行間。

腰背が強ばり痛むものには、腰兪、委中、湧泉、小腸兪、膀胱兪。






【訳者私見】

腰痛を、経絡を中心にとらえたり、内因や、外因、不内外因などにわけてとらえ たり、非常にわかりやすく明快に病因を把えており、中医学の基礎そのままだなあ なんて思っています。

治療法で、腎兪、膀胱兪、腰兪、志室、崑崙という崑崙以外の腰部局所は灸でせ め、崑崙、肩井、環跳、陰市、三里、陽輔が針というのが、特徴的ですね。正豊さ んは、基本的に、灸ではその場に気をあつめること、針では気を散じることや気を 引くことを中心にやっています。

虚が主な原因の腰痛には、灸を中心にその場に気を集めることをしてし、実の腰 痛には、その場から気をひくために遠隔の経穴を使っていったのかななどと想像し ています。

腰部や脚部の配穴が中心の治療法の中で、尺沢ー合谷ー手三里という手の経穴を 使うという部分が、少し他の部分とは違って感じますね。少し考察してみたいと思 います。

両脚が水のように冷え、腰脇季肋部が痛むということは、寒邪、あるいは寒湿の 邪がきついと考えているのだと思います。そして寒湿の邪が実邪であるために気滞 がおこってきているのでしょうね。 その気滞を払うために、手の経穴である尺 沢、合谷、手三里などが選ばれているのではと考えています。







.....鍼灸重宝記の目次に戻ります........


☆☆☆☆ここをクリックすると始めのページにもどれます(⌒_⌒)☆☆☆☆◎◎◎←←←←←はじめのページへ←←←←←◎◎◎☆☆☆☆ここをクリックすると始めのページにもどれます(⌒_⌒)☆☆☆☆

メイルの宛先はこちらです→pxl02541@nifty.ne.jp.お手紙はこちらへ...メイルの宛先はこちらです→pxl02541@nifty.ne.jp.



pxl02541@nifty.ne.jp