急な驚風は風熱からおこります。
あるものは突然に大声を出し、あるいはまた、ころんで驚き、びくつき、身熱し、
顔が赤く、口が渇き、息が熱く、大小便が黄赤く、目をみつめて、反り返ります。
前頂に灸をしなさい。もし癒えなかったら、攅竹、人中を各三壮。
慢性の驚風は、久病のあと、またあるいは吐瀉のあと、脾胃が虚して、身体が冷
え、口鼻の息が涼しく、手足がびくつき、昏睡して瞳をあらわし、発作がおこると
きは、目をみつめ、涎を流します。
尺沢七壮。しん会、百会各三壮、灸をしなさい。
驚風には腕骨【原注:最もよい】、百会、前頂、上星、水溝、合谷、尺沢、中(月
完)、章門、少海、長強。急な驚には鍼をしなさい。慢性の驚には灸をしなさい。
【訳者私見】
慢性のと、急なとわけていますが、これは病の症状の出方の速さを単に言ってい
るのではない感じがしますね。慢性のとしたもののなかにも、吐瀉の後の発作な
ど、非常に急におこってくるものも考えられそうです。
そう言ったうえで、この二つはなにでわかれるのかというと、内傷病か、外感か
ということなのでしょうね。
急なものは、風熱による外感。前頂の灸で、頭や顔の部分の熱を瀉していくので
しょうねえ。また、気付けとして、攅竹、人中といったところでしょうか。
内傷病の時には、尺沢で肺気をたて、しん会、百会などを補い気付けをしていく
ということでしょうか?。