1、生まれた直後で乳を呑まないものには、承漿、頬車、(王旋)(王幾)。
2、生まれた直後で、尻の穴がないものには、三(稜)鍼にて刺しうがちなさい。
深く刺してはいけません。
3、生まれて七日のうち、口の中、歯齦や舌の上に、粟粒のようなものが出
て、白沫を吐き、啼いて、乳をのまないものはこれを臍風、撮口といいます。
絹を指にまき、暖かい湯にひたし、そろそろと擦り破り、紅を塗りなさい。
もしこのようにしなければ、忽ち死んでしまいます。然谷に灸を三壮、あるいは
針を三分、血が出ればすぐに効果が出ます。
4、しん門が合わないものは、臍の上下各五分二穴に灸を九壮しなさい。
5、夜泣きは、百会に灸を三壮、中脘に針をしなさい。
6、大便が通じないものには、大腸兪、神闕に灸をしなさい。
7、小便が通じないものには、関元、石門、中極に針をしなさい。
8、脱肛は、長強に三壮、臍中に三壮、あるいは年の数。久しく治らないものに
は、百会に七壮、灸をしなさい。脱肛、瀉血は亀尾に一壮しなさい。
9、重舌は、舌の下に小舌を生じます。木舌は舌がすくみ、木のよう
になります。両方とも肺兪、脾兪、肝兪、膏肓。
木舌、重舌は三(稜)鍼にて舌下の紫脉【訳注:舌下静脈】を刺して、悪血を
出します。
弄舌【訳注:意味もなく舌を外に出してなめまわすもの】は口より外へ舌を出す
ものです。四、五才まで話すことが出来ないものは、心兪に三壮。
10、亀背は、肺兪に三五壮、あるいは膈兪、心兪。
11、亀胸は、両乳の前、各一寸半に灸三壮。
12、口瘡、鵞口は、上脘、中脘、下脘。
13、赤遊風【訳注:小児の驚風の一種、頭を揺らす】は、百会、委中。
14、目赤眥は、大指示指の間の後ろ一寸半に三壮。
15、肩腫、偏墜は関元に三壮、大敦に七壮。
16、腋腫馬刀傷は陽輔、太衝。
17、瘍腫、振寒には少海。
18、頭中瘡は陽輔、太衝。
19、全身に瘡を生じれば、曲池、合谷、三里、絶骨、膝眼に十四壮。
20、熱風、癮疹には肩(骨禺)、曲池、曲沢、環跳、合谷、湧泉。
21、疥癬は曲池、支溝、陽谿、陽谷、大陵、合谷、後谿、委中、三里、陽輔、崑
崙、行間、三陰交、
22、新生児で病のないものには、みだらに鍼灸をしてはいけません。その痛み
に耐えがたく、五臓を動かしてかえって病を生じます。