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十四の鍼法



一に動とは、気のめぐらないものに、鍼を伸堤【原注:のべひつさげ】し、動かし て気をめぐらせることです。

二に退とは、補瀉をほどこして鍼を出だそうとするとき、先ず鍼を三分ほど抜きか けて、また却って鍼を留め、その後まさに抜き出だしなさい。

三に(才差)【原注:さ、くだく】とは、熱病を治療するときに、外に向 かって鍼を臥せて(才差)線【原注:くだくいとすぢ】の形ちのようにします。厳し くしすぎてはいけません。寒病を治療するときには、裏に向かって臥せて(才差)線 のようにします。

四に進とは、気を得ず男は外、女は内及び春夏秋冬おのおの進退の理がありま す。

五に盤とは、腹の部に鍼をするときに、穴の内において軽く盤【原注:めぐら し】揺るがすことです。中脘関元などに先ず鍼を刺して入ること二寸五分、退 き出だすこと一寸、ただ留めること一寸五分、鍼を刺入したままの状態にして、盤 揺るがすことです。

六に揺とは、瀉すときには、鍼を出そうとするさいに、動揺させて後に出すもの です。

七に弾とは、補うときに大指の爪にて軽く鍼を弾き、気をしてすみやかにめぐらせ ることです。

八に撚とは、手指にて鍼を撚り左を外として右を内とします。女はこれに反しま す。

九に循とは、鍼を部分経絡の處に下し、手で循【原注:さす】り、気血を往来させ ます。経にはこれを推すときは行き、これを引くときは止まるとあります。

十に(才門)とは、補のときに鍼を抜いて、その鍼口を手で(才門)【原注:もみ】閉 じることです。

十一に摂とは、鍼を刺して気が渋って滞ることを得たのなら、経絡に従って 上って大指の爪にて上下にその気血を切【原注:たしかに】すれば、おのずから通 じ行ります。

十二に按とは、手によって鍼を按じて進退【原注:すすめしりぞけ】することな く、按切【原注:おしきる】の形ちのようにするものです。

十三に爪とは、鍼を下して左手の大指の爪にて重く穴の上に抓し、気血を散じさせ ます。【訳注:刺入するときの】準備です。

十四に切とは、鍼を下そうとして、まず大指の爪にてその鍼するところの穴を按 し、左右の気血を宣べ散らし、後に刺しなさい。こうすると栄衛を傷りません。







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