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東洋医学的基礎体温アプローチ



基礎体温は、女性のからだのリズムをみるのに、とても役立ちます。
毎日規則的に計測し、ノートに付けている方も多いでしょう。

毎日の変化、毎月の変化、そして年をまたいでの変化をみていくと、
妊娠に適したタイミングがわかるばかりではなく、身体の状態の大きな変化を 知ることもできますし、どのような治療方針が必要なのかもわかることがあります。
基礎体温は、宝の山です。

生殖機能的に安定した状態をしめしている基礎体温表は、安定した低温期と、0.3度以上の差をもった高温期が12日以上の日数をもって出現しています。

これは、東洋医学的に考えると、腎気(身体の土台の力、下焦の力、際下丹田の力)の主導のもと、肝気によって、血流が調整され、脾によって、気血の生化が施され、奇経である衝任脉が盛んになり、充実している状態をしめしているのです。グラフの状態によって、これら東洋医学的な身体のありようを知ることもできます。このことから、直接的に東洋医学的身体作りを考えることもできるのです。

基礎体温のグラフで、全体が低い、二相制のグラフにならない、低温期が長い、高温期が短い安定しない、高温期が高すぎる(突発的に高すぎる日がまじる)、などがあれば、東洋医学的なアプローチの必要性が大きくあるということなのです。

それでは、もう少し細かく説明していきましょう。


グラフで示す体温が全体として低い

女性のからだ(男性もそうですが)は、しっかりとした陽気によってからだが温煦(オンク:あたためること)され、保たれています。全体として体温が低いという場合は、陽気の温煦作用が弱い場合が考えられます。これは身体の土台の力である、腎気、脾気とも大きくかかわる部分で、この両者の器の小ささがうかがえます。脾腎の陽気をあげ、身体の土台をしっかりとさせることが必要です。全身の生命力をあげていくという発想の治療が必要でしょう。


低温期が長い

生理のあとの低温期は、生理により空虚になった子宮の気血の回復段階です。

しっかりとした腎気の支えにより、胞宮(子宮)の充実を図る時期です。このときに、しっかりとした、支えがなく、子宮を中心とした回復がおくれることで、長くだらだらした低温期となります。胞宮にしっかりと気血がそそがれるように、衝任脉を整えていくことを考えます。


しっかりとした二相制にならない。排卵がない

だらだらとして、低温期、高温期のはっきりしないグラフは、陽気の発動が弱く、しっかりとした排卵をみなかったために、充分な高温期になってこない場合が考えられます。排卵を助けるために、低温期での身体の土台作りからはじまり、排卵期に、身体が充分に暢びやかさを発揮できるように、手助けする治療を考えていきます。


高温期が短い、突発的に高いときがある

胎児を育む環境づくりを考えるこの時期は、腎気の主導のもと、肝によって血流が調整され、脾によって生化が施され、子宮にかかわる経脉が充実していきます。

このときに、とくに腎気が弱いと、下支えが出来ず、途中で高温期が下がってきてしまいます。 また逆に体温が上がりすぎる場合もあります。これは身体の土台としての腎気が弱いため、しっかりと肝気がおさまることができず、肝気の不必要な暴発を招き(きーきーとしたイライラ状態です)気の欝滞を中心とする、月経前のイライラや、胸の脹り、便秘、疲労感などを招きます。肝気の不必要な高揚による熱症状ですが、下支えする腎気がないがために起きてくる症状なのです。

このように、高温期が下がってしまうのも、あがりすぎてしまうのも、土台である腎気の弱さに根ざしている場合が多々あります。

人間はしっかりと根が張れる大地(腎気)があってこそ、暢びやかな肝気がすうっとたち健やかに天に向かって枝葉(心肺)を広げることが出来ます。枝葉の過剰な繁茂や、もやしのような徒長は、しっかりとした大地(腎気の土台)がないためにおこってきます。

キーキーなどの枝葉の過剰な繁茂やもやしのような徒長によるつらい症状に対して、対応を考えるよりも、土台である腎気を養うことが非常に大切になることがお分かりいただけると思います。


月経周期が長い

ときに、2,3ヶ月に1度などという月経周期になる方がいらっしゃいます。これも、身体全身の問題からおこっているケースがありますので、腎気、肝気、脾気、と調整し、衝任脉の気血の充実を図っていきます。

妊娠を考える場合は、ひとつのしっかりとした排卵、充実した高温期があることが非常に大事です。生理が毎月なくても、この二つがあれば、妊娠することは可能ですし、実際はからだが整うことで、きちんとした生理周期をみるまえに妊娠してしまうことが多くあります。

つまり、妊娠のご希望がなければ、身体が整うことで生理周期が整いますし、妊娠のご希望があれば、さらりと妊娠してしまうということです。。

治療としては、周期が整うことを狙いながらも、周期が整うことだけを注目せずに、しっかりとした排卵、高温期があるということを大事に考えていくことが重要です。

身体が整ってくれば、充実した卵の成長、しっかりとした排卵、ふんわりと受精卵を受け止める力がついてくるということなのです。






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