不妊でお悩みの方の御相談に乗ると、
『なにがなんだかわからない』
『優先順位をどう考えればいいのか迷う』
『なにをすればいいのかわからない』
『精神的な不安感で辛い』
『治療が進むほど、結果が出ないのに、体調だけが悪化する』
『年齢がどんどんすすむのが恐い』
『妊娠できないかもと思うと、次の治療が恐くて受けられない』
などといった、悩みが噴出してきます。
まず、あなたの今の状態を整理しましょう。
「赤ちゃんが欲しい」でも、こうのとりがすんなりと来てくれない時には、まず情報を整理することが大切です。
情報には、
1、ご夫婦のお体の問題
a.西洋医学的な情報
b.東洋医学的な情報
2、現在の状況の把握
3、広く生殖医療の現状と、ご自身が取りうる治療方法の選択
と、3つの側面があります。
この三つのうち、情報として一番扱いにくいのが、ご自身の身体を東洋医学的な側面から知るということです。
東洋医学的な四診には、治療者側の感覚で見ていく部分がたくさんあります。脉をみたり、身体にでている経穴の状態をみたり、冷えや熱を小さな部分から、大きな範囲までをみていきます。こういった感覚的な診察は数値化できませんので、なおざりにされがちですが、人間の生命力を診るということは、数字にあらわれてこない部分を含んで見ていこうということなのです。
脈診ひとつでいえば、脈の勢い、太さ、細さ、沈み具合、浮き具合、渋り方などの沢山の要素を勘案して脉の状態として判断します。
これはあくまでも脉の状態です。他に、腹診、顔面部の望診、経穴の切診、舌診、背候診など、沢山の細かい検査項目があります。
人間の身体をみるときに、東洋医学の世界では、このように、沢山の検査項目を用意していました。
脈診や腹診などを使い、ひとつだけを特化してみることもできますが、『四診合参』という術者が取りうるすべての情報を併せ考えていくところに、私は東洋医学の醍醐味があると思います。
治療者側の能力の問われるところですが、東洋医学の世界でも情報集めが大切だということは、皆さんにも知っておいていただきたいと思います。