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弁証

弁病―時系列から  4/6


主訴、頭痛、強い疲労感、首を絞めつけられるような感じ、のぼせ、背中の痛み、 だるさ。関節の痛み

主訴は上記の通りですが、他に32才頃より徐々に発生した精神的緊張などの症状 がありますが、現在投薬治療を受けています。患者さんと話し合った結果、鍼灸で は、関節痛の治療を中心の課題とすることにしました。

そこで、ここでは関節痛がどのような経過で発症し、現在どのような状態におかれ ているのかということを中心に弁病していきます。

弁病の結論は、痺証による関節痛になると思われますが、実際に治療をしていく上 では、痺証の根本的な治療として脾腎を建てていくということが、主として心脾両 虚の問題として把えられる精神的緊張による症状の治療と関連性があり、痺証の治 療をすることで、結果として、両者の治療と兼ね備えられるのではないかと考えて いるということも、患者さんに説明してあります。






赤ちゃん時代、先天性股関節脱臼と言われる。そのころより、湿疹ができやす い。小学生のころより、顎が開くときにクリック音。

中学生のころ、風邪がながびき咳が止まらず病院を点々とする(原因不明)。皮 膚のトラブルが多かった。

この時期までは、肺気不宣になりやすいタイプであるのか、脾腎の問題があるの かと疑われますが、これは傾向程度のことであって、一応、一元の生命としての肉 体はしっかり生きられるように作られているとみていいかと思います。そのため、 ここまでの問題に関しては、一応処理されたものとして、これ以降が病因となりえ る事象かと考えています。






25才のときに、肉屋さんのバイトでとても冷え、体中を動く関節炎になった。こ れは一過性でおさまる。以前からあった頭痛が強く意識され、以来頭痛は経過して ゆく。

これが、移動性の関節炎の初発です。リウマチの初期の移動性関節炎として風痺 に相当すると、ここで考えることができるかもしれません。






28才から空手を四年間おこなう。打撲ねんざをくり返し、あちこちの関 節を傷める。痛めた関節は冷えると痛む。同じ時期にマラソン、水泳もおこない、 身体をかなりハードに使う。

25才のころに発症した移動性の関節炎は、症状が軽く、痛みのない時期も多い 状態であったと思われます。このためこのようなハードに身体を酷使することが出 来たのかもしれません。

冷えると痛むというのは、寒痺に相当すると考えられるかもしれません。または 経筋経絡病の範ちゅうであるとも考えられるかもしれません。






30才より花粉症となる。

空手をやめてから学校に入学するまでの一年の間に、眠れないという症状が出 現、その他の主訴である種々の不定愁訴がだんだんと発症。平成9年32才の時に に学校入学後、気がつくと、主訴である頭痛、強い疲労感、首を絞めつけられるよ うな感じ、のぼせ、背中の痛み、だるさが全部出揃っていた。原因不明の関節痛が 出現(左手示指)針灸治療をするも治らず。その後一年ぐらいで自然となおる。関 節痛は、その後、冷えると痛むそして治るをくり返す。

この時期は、それまでのハードなスポーツ生活を一転、受験勉強を極端に追い詰 めた形ちでやるという生活の大きな変化の時期です。スポーツによって発散してい た欝気が、勉強ということで、一気に発散されなくなるという生活変化の中で出て きた症状がその後主訴となっていきます。主訴の発現時期になっています。

この運動によって肝気を発散させていた状態から、運動をきっぱりやめてしま い、必死で勉強するという状態によって

  1. 気滞を生じた
  2. 食滞を生じだ(スポーツ時と同じように食べたために生じた、食べ過ぎに よる脾胃の機能の低下)
  3. スポーツをして時期の無理が噴き出て、疲れがでた。
  4. ストレスを丈夫な胃腸で解消しようとして脾気の停滞を生じた

ということが、あげられるかもしれません。






平成10年9月、風邪をひき3カゲツたっても治らない。喘息のようで喘息でないよ うな症状となる。その後常時咳がでる。帯状疱疹となる

この問題は、風邪を引き込んだ後、医薬などで対処療法に経過したため、寒邪が 内陥してしまった、あるいは、肝臓に負担をかけてしまい、当時の肝気が高揚して いた状態をさらに悪化させたともみることができます。






平成11年10月(34才)ごろより、症状が耐えがたくなり、病院に通院してい る。極度の精神的緊張、不安感、筋の緊張、発汗、手の震え、不眠、咳痰などもか なり強 かった。

このあたりは、内陥した寒邪が悪さをしていると考えると、派生し出ている問 題と一括して把えることができます。あるいはまた、なにか非常に強いストレスな どがあって、肝気が暴発し、肝風内動とも考えられます。






平成12年3月、学校を卒業、就労。肉体的苦痛、精神的苦痛が非常に重 くなる。体重が5キロ減少。不眠が一転、眠くてたまらないという状態になる。頭 痛が悪化、鎮痛剤を常に服用。

ここから、再度一転していますね。肝気をはることにも疲れた状態。すなわち 腎虚になってきたということでしょう。水不涵木ですね。






平成13年6月ごろから11月ごろ体重が半年間で10キロ増える、その後2週 間で4キロ減る。体重変化と同時に精神、身体症状強まる。体重が減りはじめてか ら二便異常。(水様の下痢、兎糞状の便、残尿感)

脾気の問題が激しく出てきているのも、先の腎虚によって説明できましょう。 また、この食欲の昂進や停滞は精神的な不安定さを原因としています。心気の不安 定さが非常に問題になってきているとも言えるでしょう。腎気が落ちてきているた めに、脾気が不安定になっているという具合に。また二便の異常ということから考 えると、直接腎気にも影響が及んでいるとも考えられま す。






平成13年10月頃リウマチで擬陽性が出る。

平成13年12月36才。冷風にあたると頭痛、関節痛極端に悪化。 現在に至 る。

これは、風邪がまだ内陥したまま、とれきれていない状態であると考えると、当 然出てくる症状でしょう。






いままで、時間の流れを整理して弁病をしていきました。

今の症状につながる別れ道はどこであったか。この患者さんの場合、どこから今 の症状につながる身体的な悪化状態が始まったのでしょうか?。

ひとつは、肉屋さんで働いていた25才のときから

そしてもうひとつは、学校の入学時から。

そしてまた、就職してから






時系列を中心とした問診の流れの分析で明らかなとおり、この患者さん第一の病 名は痺証ということになります。肉屋さんで働いていた頃、空手をしていたこ ろ、入学後、就職後と現在にいたるまで、徐々に悪化していくという状態は、まさ に痺証が深くなっていくという段階そのものです。




☆弁証☆


.....痺証の弁証論治のはじめに戻ります........




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