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ふらつき弁証論治のはじめに戻ります

論治  6/6



弁病、弁証と本症例を詳しく考察してみました。

精神的緊張の問題を、棚にあげて考えていくと、関節の痛みは、痺証によるもの であり、すでに寒痺というより深い段階まで入っていると考えられます。

本症例が寒痺の段階まで深くなっているのは、患者さんの器の状態が、脾胃の虚 だけではなく、腎の虚を問題にすべきところまできているということを、意味する のではないかと私は考えます。







痺証の問題を中心に考えていくときに、風に寒熱とも弱いことから衛気の弱り、 そして体重の増減や、便通の問題を考えると脾気の弱りが明確にあげられます。ま た、脾気がここまで不安定になっている原因を考えると、髪の毛、だるさ、むく み、夜間尿、髪、目など腎気の問題が多数でており、その器の弱りがかなり深刻で あるということが理解されます。

腎陽の温煦が弱まることによって、脾陽が守られなくなり、また、腎気の支えが 弱くなることにより、肝気がそのよりどころを失い、暴発し、肝気反脾という形ち でより脾気を痛めるという悪循環になっています。







中心となる課題はふたつ。

ひとつは、脾気を救うことにより、気虚を補い、素体を充実させ、それによって 衛気が充実していくことによって、関節の痛みの軽減を図ることです。

特に冷えることにより、症状が悪化していますので、脾腎の陽気を建てることが中 心となるでしょう。脾陽を建てるためにはこの症例の場合、腎陽をも建てる必要が あります。

もうひとつは、腎気を救うこと。

すなわち腎気を建てるということでしょう。腎気を建てることで、器の支えをつ くってやるという発想をもつことが、上に述べた肝脾腎の悪循環によって、器を弱 らせている本症例の場合、ことに肝要かと思われます。







問題は、治療の順番です。

すでに器がかなり弱ってしまっています。あれもこれもと手をつけてしまうと、焦 点がボケて、結局何をやっているのか分からなくなってしまいがちです。

患者さんが、どのような治療を受け取れるかという事を、そのレベルを推し量りな がら、徐々に手を入れていくということが必要かと思います。

そのために、現在の問題の中心をしっかりと把握しなければなりません。

すでに明らかなように、この症例の中心的な問題は脾腎の虚です。急いでそれを救 うことが大切です。根をしっかりとさせることにより、肝気の横逆を防ぐという発 想です。また、主として陽気を建てていくことによって、衛気を固めていくという ことにも、つながります。







このような症例の場合、患者さんと、治療者が一緒になって身体をよくしていこ うとすることが、非常に重要で大切です。そのために、避けて通れない問題が、患 者さん御自身が、その症状に対して理解し、養生へ心がけるという姿勢です。

なぜ、ここまで病が深くなったのか、器が壊れるまでいってしまったか。その過 程は、本症例の場合、とくに御自身の生き方、生活習慣と深く関係があるようで す。

器を養う(これが養生ですね)という方向への生活習慣を共に考え築き上げていく ということが、治療方針として欠く事の出来ない要素となるでしょう。







患者さんへお願いしたいこととしては、

ひとつに、ゆっくりと歩くこと。気持ちよく、筋肉の動きを感じてゆっくりと歩 いてください。

二番目に、食事のこと。甘いものはできるだけ控え、良く噛んで美味しく食べて ください。

三番目に生き方の姿勢のこと。新しい事に目をむけるのではなく、今の生きてい る身体をありのままに感謝して、いま生かされているということを楽しむことを中 心として生活していただきたいということです。今を充実させることが、その次に 繋がっていくための土台になっていくのではないかと私は思います。







鍼灸治療としては、三焦兪、脾兪などの背部輸穴を中心に、関元ー足三里などを 加えながら、素体を養う事をめざしたいと思います。




.....痺証の弁証論治のはじめに戻ります........




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