強い緊張感というのは、ご本人自身の精神的集中のあり方でしょう。
集中力が必要なときに、身体も符合するように緊張するというのは、
ご本人の身体の使いかたの癖なのでしょう。
この癖に対して、強い緊張感を解きほぐすという目的で対処療法的な
治療を受けることや、あまりにも強い緊張感になる前に対応しておくというの
は、意味のあることだと思います。
強い緊張感をもつには、身体の土台が必要です。
緊張感というのは、一本の気にたとえるならば、すっと天にむかって暢びる幹
のようなものです。そしてその幹の先には、沢山の枝葉があります。この枝葉は
身体の上部である頭部の状態をそのままあらわしていると考えられます。
すっくと幹を天に向かってのばし、枝葉をしげらせ、目や耳や口などの五感を
フルに使い、頭脳そのものを高いテンションで使っているというご本人のありよ
うが目に浮かぶようです。
こういった木の状態、こういった生き方をする人にとって、なにが必要かと言
えば、大地にどっかりと太い根を張ることです。しっかりと根が張れていれば、
枝葉が多少無理をして大きく揺れたとしても、木自体が倒れることはありません。
しかしながら、もし根っこがぐらぐらしていたのならば、緊張感をもったまま、
大木がばったりと倒れるようになってしまうでしょう。
残念ながら、舌の顫え、疲労感など、この根っこの状態が加齢とともに少しず
つ衰えている状態が見え始めています。
根っこを養うために、しなければならないことは、まず強い緊張感という鎧を
ぬぎ、根っこを養うタイプの治療を受けたり、気持ちよい状態で散歩などをおこ
なうこと。漢方薬の服用などが考えられます。
緊張感をもったままでは土台である根っこを養うことが出来がたくなります。こ
のあたりの兼ね合いは治療者側と相談しながら行って欲しいところです。
こういうタイプの方が倒れたり、もう一段階状態が悪化するようなことがある
場合は、大きく倒れる可能性があります。内風という身体の内側に風が吹き荒れ
る可能性があるわけです。平素の養いが重要である理由がここにあります。気持
ちで身体を持てる力以上に集中して使うタイプですね。身体への配慮をどのよう
に行うかは注意が必要だと思います。